基礎体温

思索の試作。嗜好の思考。

曜日でやることを決める

毎週日曜の11時にプールに行くのが日課となっている。行く曜日と時刻を決めたことで習慣化することに成功しつつある。カントほど厳密にやる必要はないだろうが、あらかじめ曜日や時間を決めておくことで楽になることは案外たくさんある気がする。

あるベテランスタイリストの本を読んでなるほどなと思ったことがある。毎日のコーディネートを決める際にまずは靴から選ぶのが良いそうだ。たしかに出かける間際になって靴が合わないとなったことは幾度となくある。そこで曜日によって履く靴を決めておくことにした。こうすることでその日何を着るかが決めやすくなるはずだ。幸い普段履く靴は7足くらいなのでちょうどいい。帰宅して靴を脱いだときに次の日の靴に差し替えておけば朝に慌てる心配もない。

明日からお弁当を作る必要があるのだがそれも曜日で献立を決めておこうかと考えている。毎回創意工夫を楽しめるほど料理好きではないので、曜日ごとに決めておけば考える手間が省けるし事前の準備も楽になるはずである。日本はおかずの種類が極めて豊富なのでいろんなものを作らないといけないような強迫観念に駆られるが、毎週同じでも実は十分ではないか。

あと曜日によって決めたいのがインプットの時間。私にとっては映画を見たりコンサートに行ったり展覧会を観たり。夜に行けるところは限られているけど曜日を決めて見に行かないとなかなか見に行かないし、お酒を飲んで過ごしてしまいそうなのでこれも曜日を決めたい。木曜に設定することにする。でも仕事帰りに行けるのって森美術館くらいかしら。

ほかにも通勤時の過ごし方や仕事の進め方なども曜日によって予定を組み込んでみることにする。どうなることやら。

ナベさんのこと。

かつて、前々職のときにナベさんという人とひょんなことから新サイトをつくることになった。ナベさんというのは、中途で入ってきた人で 、どんな人なのか、何をやってきたのかわからなかったが、とにかくアホみたいな顔をしていて、わかりやすく言うと赤塚不二夫のマンガに出てきそうな風体の人だった。見た目だけじゃなくキャラも赤塚ワールドで、油断するとすぐにうんこちんこといったことを口走るような人で、私より幾分年上だったのだが私は全然嫌いじゃなくて、なぜか一緒に飲んで安っぽいキャバクラに行ったこともあった。

彼とのなんの仕事をしたかというと、いつの間にか新サイトを立ち上げることになっていて、いつの間にか私がその企画責任者みたいになっていて、なんだかんだ進めていたのだが、今思うとほんと何にも考えてなくて、そもそもサイトを構築すること自体を理解していなかったので、決めなければいけないことも見えていない状態のまま、とにかくリリース日が近づいていた。

今考えても恐ろしいが、明日リリース日だというのに今思うと詳細の仕様が固まっていない状況で進んでいき、何も見えてない私はもうサイトができるのを待つばかりと思っていたのだが、夜に近づくにつれ、あれはどうなっている?これはどうしましょうか?などと疑問点が続々と出てきて、外注のエンジニアさんに一つ一つ考えては返答していたのだが、そこにアホづらのナベさんが現れて、様々な要件を一つ一つ整理してはつぶしていくのを目の当たりにした。あんな赤塚顔で、いつもうんこちんこばかり言っていたナベさんのおかげで、複雑にみえた要件が整理され、次々解決されていくのは圧巻であった。そこには、幾多の修羅場をくぐってきた者の凄みがあった。

明け方にようやくすべてが完了し、新サイトがオープンすることになったが、私にはなんの喜びも達成感もなかった。敗北感にすら達しない不甲斐なさがじんわりと胸に残った。

そのあとも、私は新サイト、新サービスをいくつも立ち上げた。その度に、そして今でも、事前に要件を定め、あらゆる挙動や可能性に答えを用意しておくことの重要性をナベさんの姿から教わった経験が生きている。あれからナベさんは会社を辞め、私も辞めた。あるとき、中目黒の大衆酒場であいかわらずのアホづらで飲んでいる彼の姿を遠目で見かけ、密かに感謝の祈りを捧げた。

持ち歩きデバイスが定まらない

通勤電車に乗る時間が長いので、なるべく座れるようにして、そこで仕事をしたり本を読んだりするようにしている。そこで持ち歩くのがMacBookiPadキーボード付き、ポメラなのだがこの3つを持ち歩くのはさすがにヘビーなので、1つか2つを選ぶことになるがこれが毎回ちょっと悩ましい。

MacBookが仕事の作業には便利だが、やや重い。電車で膝の上で開くと若干存在感が強い。

iPadは純正キーボードの接触が悪くなってきたのがストレス。Apple Pencilが使えるので手書きで考えたいときは便利。dマガジンで雑誌を読めるのも良い。ただし、Googleスプレッドシートとの相性が超悪いのが仕事をする上では致命的。

ポメラはストイックに文章を書きたい、書かないといけないときはやはり重宝する。膝の上で開いても圧迫感がないのが良い。当然ながらテキスト作成以外はできないので単独だと心許ない。

というわけで一長一短あるので、この中から気分ややりたい仕事に合わせて選んでいるのだが、毎回考えたり、やりくりしたりするのがだんだん面倒になってきたのでそろそろスタイルを固めたいとは思っている。

iPadGoogleスプレッドシートがストレスなく使えるようになれば、解決するような気はしている。アプリの恒常的な不具合はなんとかならないものだろうか。

欲しいものなど何もない

春先になると服が欲しくなる。とはいえ必要な服などほとんどない。靴下が破れそうになってきたからそろそろ買い換えねばとは思うものの。生活するに必要なものなど、40年も生きていれば足りている。あとは飲食など、消費するものがあるばかりだ。音楽は聴くが、Apple MusicなのでCDはすっかり買わない。DVDも。本は買うが、すでに一生かかっても読み切れない数が家にある。iPhoneも、画面を割ってしまったがXにそそられないので9のままでいい。カメラを買い換えようかとも考えたが、本格的なものはいかんせん高い。それだけの価値判断が今の自分にはできないので、どれを買うべきかわからない。

欲望に振り回されないのは良いことかもしれないが、とりわけ解脱したような境地にいるわけでもない。物ではなく、自己研鑽にでも向かうべきなのだろう。それならばやりたいことは山ほどある。なのについついゼルダをやってしまうのは、己の未熟さなのか、それほどやりたいと思っていないせいなのか。おそらく後者であろう。

やりたいといいながら実際には何も手を付けていないものの1つがフランス語。学生時代に多少かじったこともあるし、何より語の響きは好きなので、なんとかもう少し華麗に使いこなせればと思うが、特に必要性はなく、もっぱら趣味の範疇にとどまるのでさしたる拘束力はない。だが、仕事上の必要性などとは別に、何かをストイックに極めたいという思いがあることも確かなので、フランス語が良いのかはわからないが、何かしらの「自己研鑽」を始めようと思う。

消費されてはいけない

カバンを代えてからポメラを持ち歩く頻度が減り、気がつけば少なくとも2週間以上は開いてなかった。すっかり親指シフトを忘れてしまっているのではないかと恐れたが、幸いなことにわりと覚えてはいたのでなんとか感覚を取り戻せそうだ。

ポメラを使わなくなっての一番の変化は、こうして文章を書かなくなることだ。ポメラ以外の時はMacbookiPadを持ち歩いているが、そうなるとやはりメールやらSlackやら何かしら仕事めいた作業をしてしまうか、さほど重要性の高くないサイトを眺めてしまいがちだ。こうした「横道」にそれてしまうことなく文章生成にフォーカスできるのがポメラの売りであるわけだが、見事にそこにはまっていると言える。

こうしてみるといかに日常で思考し、それをアウトプットする時間を持つことが難しいことかと感じる。いとも簡単に消費に流されてしまうことか。毎日ブログを書く人って偉いなと思う。どんな内容であるにせよ。

ShortNoteというサービスが終了するとの知らせが来た。採算性がとれないのが理由らしい。いろいろとコラボ企画などもやっていたようだが、思うようにマネタイズできなかったのかもしれない。

私もいっときこのサービスを使っていた。ちょうどブログを始めようと思っていたときで、なぜいつもブログが続かないのかと考えたときに、制約がないのがむしろ難易度を上げているのではないかと思い、文字数を制限したらどうかと考えていたところだった。ブログの文字数を毎回たとえば400字に設定することで書き続けられるのではないかと考え、短い文章に向いたフォーマットを探していたときにShortNoteを見つけて使ってみたわけである。 スマホでも書きやすいし、書けばわりと他の人からのリアクション(はてなでいうスターのようなもの)もあるのでしばらくは続けていた。

いつしか続けなくなったのは、ひとえに私の怠慢によるところが大きいが、積み重ねていったときの閲覧性やSEO的な利点の弱さが他のブログサービスとの差になってしまった気もする。SNSのように流れていくものを求めるか、ブログのようにストックされるものを志向するかの違い。そこが、こうして私がはてなブログに結局は戻ってきた大きな要因ではないかと思う。

小さなキーボード問題

karabinerを入れることで左右のコマンドキーでかな・英数を入れ替えられるようにはしたが、MacBookと今使っている外付けキーボードで配列が微妙に違うため(USとJIS)、かっこやアットマークなどの位置が異なり、そのたびkarabinerのキーボード設定を変えているのだが、これがいい加減面倒になってきた。

どちらかの配置に慣れれば済む話なのだろうが、どちらも同じくらい使っているのでかえってややこしい。使うキーボードによって自動的に切り替わってくれると良いのだが。これは普段、自分の席では外付けキーボードを使っているが、打ち合わせなどでMacだけを持ち運んだときに生じる問題である。さすがにミーティングに外付けキーボードを持ち歩くのは大げさなので。

karabinerを入れる前、「英数かな」というアプリを使っていたときは確か起こらなかった事象なので、このアプリに戻すというのも手ではあるが、この英数かなというアプリ、たまに英数が切り替わらなくなることがあってそのたびにリセット(アプリ再起動)する必要があって、それがちょっと面倒だったのだ。karabinerは以前使っていたときにそういうことはなかったので、ようやくkarabinerがSieraに対応したと聞いて、早速インストールした次第だ。もう少し方策を探ってみたいと思う。

TaskChuteから手書きの手帳に戻る

TaskChueteCloudをだいぶ使いこなしていたが、ここのところは手帳に書くことに代えた。いろいろ行ったり来たり。未だに固まらない。エルメスの手帳、それも見開き二週間の日本限定のタイプがやはり合っている。別にエルメスじゃなくても良いが、机にPCと置いても邪魔にならないサイズで見開き二週間のタイプはわりと見つからない。これに細々と予定とto doを書き込んで終わったら消していく。超整理手帳の時もほぼ同じ使い方だった。

このやり方の良いところは、予定を書き込み、その予定から逆算した日程のところにタスクを書いていけること。それを線や矢印で結ぶとつながりが可視化される。まあ紙の手帳としては当たり前の使い方ではあるが、その際に二週間分が見えていると少し先の予定を見越して予定を立てられるのが良い。これを追求したのが超整理手帳だった。あの手帳自体は縮小の一途だが、あれで身につけた方法は生きている。

ほかにもガントチャート風の手帳もこれに近い機能を持っていると言える。ただ、ガントチャートタイプもいろいろと試したが、タスクごとに書く場所が分かれているものではなく、どれもごちゃまぜな中に書き込むのが性に合っているらしい。おそらくプロジェクトに分類しづらい仕事が多いためではないかと思っている。

TaskChuteCloud自体はとても使いやすいツールで、Excel版でやりたいことも網羅できているし、jMatsuzaki氏が日々改善しているのも好感が持てる。唯一、私の使い方だと面倒なのがプロジェクト分類と完了後の評価。タスクを振り返るためには重要な要素ではあるが、私の使い方としてはタスクと所要時間の見込みがわかり、それをいつやるかスケジュールの采配ができればいいだけなので、プロジェクト設定は無視すれば良いが、完了後の評価を毎回聞かれるのはいささかうっとおしい。もしかすると無効にする設定があるのかもしれないが見つけられなかった。何にせよ、所要時間を可視化してスケジュールを組み立てられるという点で優れたツールだと思う。

ということで、ここしばらくは手書き手帳でやってみようと思う。この方法の弱点は手帳を忘れると何もできなくなること。常に持ち歩かないといけない。(その意味でも小さくて軽い手帳を持ち歩くようにしている)この点はCloud系のツールの方が便利だ。まあ、こっちもスマホを忘れると何もできなくなるのだけど。